日本人メディア・アーティスト
三上晴子が1985年5月に開催した初個展「滅ビノ新造型」は、鉄のジャンクのオブジェやブラウン管TVなどによる大規模なもので、東京の最先端のカルチャーシーンの旗手に三上を位置付けた。都市のインフラがデジタルへと移行する時代に、三上は電話ケーブルを神経系に見立てた個展「Bad Art for Bad People」(1986年)、劇団「東京グランギニョル」を率いる飴屋法水(1961年–)とのコラボレーションによる演劇「バリカーデ」を経て、脳とコンピュータ、身体と免疫など非物質的な情報へとシフトしていく。1990年に「Information Weapon」シリーズを発表、中でもクリーンルームを含む研究所での個展「Super Clean Room」は情報戦争をテーマにした壮大なものであった。
「二つの脳で生きる:1960年代〜1990年代、ニューメディア・アートで活躍した女性アーティストたち」プログラム