「未来の刻印」は、日本の女性写真作家の認知向上と研究を目的としたリサーチ・プログラムです。アドバイザリー委員会のメンバーたちとの綿密な対話のもとで構想され、日本の女性写真作家たちの活動を広い歴史的文脈や現代の議論の中で探究します。
本プログラムのテキストは、今日の美術や写真に携わるキュレーターたちによって執筆されました。これらのコンテンツには、インタビューや論考、アーティストの略歴が含まれ、日本における女性アーティストの写真表現への貢献を深く掘り下げ、日本の近代化期から戦後、そして現代に至るまでの系譜をたどることができます。また、掲載される写真作家たちの功績の歴史的意義を示すとともに、この分野を築いてきた世代やテーマ、表現手法の多様性を反映する内容となっています。本プログラムは、日本の文化と美術におけるナラティブや視点の多様化を目指しています。
本プログラムタイトルは、ベネチア・ビエンナーレの日本館に初めて女性写真作家として展示した石内都による展覧会「マザーズ 2000-2005 未来の刻印」に由来しています。
本リサーチ・プログラムの一環として、2026年8月、Bunkamuraとの共催により、ラウンドテーブル「未来の刻印 ― 日本の女性アーティストのいままでとこれから」を開催しました。日本の女性写真家30名を紹介する国際巡回展『I’m So Happy You Are Here』(日本展タイトル:まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険)の開催を記念し、本展キュレーターの竹内万里子氏、美術史家・長野県立美術館長の笠原美智子氏を迎え、日本の女性アーティストを取り巻く歴史や制度、社会的・文化的背景、そしてこれからの展望について語りました。
また、2025年10月には、T3 photo fair and festivalにおいて1960年代以降の日本と韓国の写真分野における女性アーティストの積極的な参画と研究に焦点をあてたパネル・ディスカッションを開催しました。石内都 とパク・ヨンスクの先駆的な実践に着目し、美術史家キム・ホンヒの解説とともに女性の生や記憶、身体をめぐる表現に迫りました。
本プログラムは、丸川コレクションによる助成を受けています。